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ごあいさつ      

『薪を燃やすようにして』      三浦綾子読書会代表  森下辰衛

「クリスチァンという者はね、ストーブのような存在でなければならないよ。ストーブは暖かくて、みんな傍に寄って来たくなるでしょう」

この真実は、『愛の鬼才』の主人公西村久蔵先生がその言葉と生き方を通して、綾子さんの心に深く刻むように教えたことでしたが、綾子さん自身も、まさにそのように生涯を生きた人であったと思います。そんな三浦綾子の心に出会ったゆえに、その言葉と心とを更に学び、引き継ぎ、伝えて行きたいと願う私たち三浦綾子読書会もまた、そんな暖かいストーブのようなものであることができたらと思うのです。一つ一つの読書会が自然と人が集まってくる場所であり、そしてそれ以上に人を心の底から温めることのできる場所であったらと願います。

東日本大震災直後の報道で印象的だったことのひとつは、被災地の方が口を揃えて「今一番必要なものはガソリンと灯油」と訴えていたことでした。それを聴きながら、何十年か前だったら、こんなことはなかっただろうにと思いました。かつて東北の山間には沢山の炭焼き小屋があり、多くの馬もいたからです。倉本聰は「北の国から」のなかで、富良野の奥地の麓郷にも停電があって、オール電化の家々が暖も取れずにいたとき、黒板五郎の家だけに薪の燃える火があるという様を描きましたが、この余りに一様な石油を求める答えの背後にあるエネルギーの一元化状況に危うさを感じたのです。これは読書会にもまたどんなコミュニテイーにもあてはまる警告でしょう。

「薪は一本より二本の方がよく燃えるでしょう」

『塩狩峠で』永野信夫がふじこに言う台詞です。一本で燃える薪火は危うく弱いものですが、一本より二本、二本より三本、三本より四本と薪は多いほどよく燃えるのです。読書会は今、最初の十年の伸長期から充実期へと進んで来ていると思います。やがて来るべき結実期に向けて、より多くの薪で燃えてゆくべき時期に来ていると思います。「奉仕者」の数人だけが活躍するのではなく、多くの素晴らしい賜物を持った方々が、心をひとつにして、薪として一緒に燃えながら互いに暖め合いつつ広がってゆく会になってゆくことを願っています。

綾子さんの心を正しく理解する様々な団体との協働、読書会未設置県や未設置の中核的都市での開拓、そのための働き人の育成と、各地域内の読書会の連携化。各読書会の継続可能な自立化の推進。課題は多く仕事も膨大です。しかし私たちにはいつでも希望があり、喜びと楽しみがあります。絶望の淵にいた堀田綾子の心に前川正によって光がもたらされて以来、否それ以前から、今日まですべてを導き、用い、成就してくださった神様がおられるからです。私もそして皆さまもまた、この「三浦綾子」という名で呼ばれる、この国に対する神さまの大きな愛のプロジェクトの中の一員です。

今日、私は、神さまの声に耳を傾けつつ、皆さまと共に夢を見て語り合いたいと思っています。綾子さんとその文学を愛する皆さんのご意見や要望、そして夢をお聴きしたいと思っています。お目にかかれない皆様にはメール、電話、お手紙などで直接にアドバイスやアイデアをいただけると感謝です。