三浦綾子読書会全国大会終了のご報告

巻頭言 「先生の言うことをきかない子どもたちの幸い」 代表 森下 辰衛
(読書会会報より抜粋しました)

 多くのご支援、ご協力と、祈りと捧げものに支えられて5月8日(火)から11日(金)まで宮城県沿岸部を中心に「生きててくれてありがとう−綾子さんの言葉をあなたにも」をテーマに、三浦綾子全国大会が開かれました。今回、講師を含めスタッフとして働いて下さった方は、全国からの参加者39名、地元スタッフ11名。特別集会参加者は、8日仙台福音自由教会47名・9日岩沼里の杜東仮設集会所80名・塩釜ともしびチャペル45名・10日石巻向陽仮設集会所36名・いしのみなと教会40名・11日仙台北教会58名。宮古では宮古市での3集会に35名、山田町での集会に40名の参加者がありました。仙台駅前の東北学院サテライトでのオープン配布にも二日間で約500人の方が来て下さいました。昨年秋からのこの活動では、捧げられたり献金で買い足したりした本計約14000冊のうち既に6000冊ほどが1月から各地に送られていましたが、今回旭川から運ばれた段ボール50数箱8000冊余りの本が四日間で配布されました。

 大会三日目、5月10日の朝の祈祷会の時のことでした。6時からの賛美と祈り、聖書の輪読と分かち合いが終わり、祈りの時間になりました。リーダーの私が5〜6人の方に「○○さんは今日の天候と交通の安全のためにお祈りください」「○○さんは今日の特別集会の祝福のためにお祈りください」といった感じで、課題をあげてお願いしました。ところが、その後祈った方々は誰も私の指示に従わないのです。それは唖然とするばかりで、「何を聴いてるのか、この人たちは!今日の天気や運転が心配じゃないのか?」と一瞬思いましたが、祈りを聞いていてすぐわかりました。みんな祈りたいことが心に溢れていて、「先生の指示どころじゃない!」という状態だったのです。私の胸におかしさと嬉しさが込み上げて来ました。

 その日は石巻のいしのみなと教会を拠点に5〜6台の車に分かれて南三陸や女川、石巻市内の仮設住宅に本を配布するという活動が主でした。各グループには配達が終了したら帰って来て、拠点教会近くの仮設で開かれる特別集会の朗読会に合流するようにと指示していました。ところが、特別集会が終わる頃になっても一グループも帰ってこないのです。もう夕食の時間だという頃になって次々と帰って来たグループの人達の輝いた顔はどうでしょう!そして、最先端の被災地での出会いや交わりや手から手へと綾子さんの本を渡せた感動が口々からあふれてくるのです。本当にみんな、先生の言うことをきくより、自分に示された霊的な示しに従うすばらしい子どもたちでした。

 読書会は今回初めて、社会的な広がりとつながりのある活動に取り組み、それを通して参加した個人にも会にも大きな養いと成長が与えられたことを思い感謝しています。既に塩釜、岩沼、南相馬での読書会または講演会の開催が決まりました。宮古・気仙沼・女川などでもビジョンが与えられ関係や環境が整えられてきています。読書会は綾子さんの本や言葉を通して語り合い聴き合い共に歩む活動です。これからが本番です。もしかしたら、小さな小さな集会であるかも知れません。しかし、人に寄り添うのでなく、苦難にある人に寄り添って歩かれるイエス様に寄り添うならば豊かな希望があります。ご一緒に参りましょう。
(2012年6月発行、三浦綾子読書会会報「巻頭言」より)